説明書 Manual
『遊星姉妹』 2~4人用カードゲーム, 30分, 12歳以上
季節は変わり、学園生活の彩りを決するあの行事がやってきました。
──そう、《家替え》です!
あなたは自身の監督する家に、新しい生活を迎える姉妹を集めます。 趣味の合う仲間が欲しい子、似た形の情熱を持つ相手が欲しい子、あるいは共同体に彩りの豊かさを求める子…… あらゆるわがままを満足させる姉妹を構築し、家の名声を高めるのです!
用具の内訳
(パッケージでは、姉妹カード以外の用具を「サポートカード」と総称しています)
また、これらのほかに、得点計算のために筆記具とメモを用意してください。
配置の定義
- 【場】 まだ誰のものでもない姉妹カードや、条件カードが置かれます。全プレイヤーに公開されます。
- 【手元】 各々のプレイヤーの使用札と獲得札が一時的に置かれます。全プレイヤーに公開されます。
- 【手札】 各々のプレイヤーのものです。持ち主だけが内容を確認できます。
- 【山札】 各々のプレイヤーのものです。持ち主も、持ち主以外も、内容を確認できません。
そのた、各々のプレイヤーは得点早見表を持ちます。
姉妹カードの説明
カード上部の数字を【序列】と呼びます。 これは、このカードのおおざっぱな位の高さを表します。
カード下部及び側面のエンブレムを【要素】と呼びます。 これは、このカードがどのような種類の幸福を生み出し、受け取れるのかを同時に決めます。
このゲームで使う36枚の姉妹カードのセットには、1~36の自然数の序列を持つカードが重複なく含まれます。
要素については、以下で詳述します。
姉妹カードの要素の分類
丸形要素
これらはほとんど(36枚中27枚)のカードに含まれます。
- この要素を複数種類持つカードもあります。また、複数種類の要素を持つカードは、すべてこの要素を持ちます。
- この要素を重複して持つカードもあります。そのようなカードは、何個の要素を重複して持つか、要素の中に数字で書かれています。
尖頭要素
これらは一部(36枚中12枚)のカードに含まれます。
- この要素を持ち、複数種類の要素を持つカードは、すべて丸型要素とこの要素を一種類ずつ持ちます。
- この要素を複数種類持っていたり、重複して持つカードはありません。
冠頭要素
手順
ゲーム全体は、下記のような構造になっています。
- 準備フェーズ
- 競技フェーズ
- ラウンド × 8 回
- プレイヤー手番 × 人数分
- 集計フェーズ
- 家札の得点計算
- 場札の得点計算
実際には、手番における「手札を出して場札を取る」処理と、ゲーム終了時の「得点計算」が、プレイ時間のほとんどを占めます。
以下で、ゲームの流れについて詳しく述べます。
《3/4人用》準備フェーズ
ゲームの最初の親を任意の方法で決めます。
次に、以下の手順でゲームの準備を行います。
- 姉妹カードすべてを裏向きでシャッフルする
- そこから各プレイヤーに〈8枚〉ずつ配り、各々の【山札】とする
- プレイヤーに配った残りから、〈プレイヤー人数〉と同じ枚数の札を公開し、【場札】とする
- 《3人用》公開した残りの札は避けておき、今回のゲームでは使わない
- 条件カードを、〈Close〉の面を表にして場に置く
(準備完了時の様子は、競技フェーズ開始時の図を参考にしてください。準備完了時点では、図では手札になっている札が、まだ山札にあります。)
ここまで終わったら、競技フェーズに進みます。
《3/4人用》競技フェーズ
競技フェーズは、ラウンドを繰り返すことで進行します。
ラウンドの手順は、大まかに述べると以下の通りです。
- 全員が山札から1枚引いて手札に加える
- 親から時計回りの順に手番を行う
- 手番では、手札を手元に出し、場札を獲得する
- 全員手番を行ったら、親の交代判定を行う
- 手番で獲得した札を手札に加える
- 手元の札を場に移動し、次の場札とする
以下、実際の手順を説明します。
ラウンドが始まったら、各プレイヤーは自身の山札から1枚引いて手札に加えます。
手番順が最後のプレイヤーは、ゲームの最初のラウンドのみ、山札から〈2枚〉引きます。 また、2回目のラウンドの開始時に手札〈2枚〉を持っていたプレイヤーは、山札から札を引かず、全てのプレイヤーの手札枚数が〈2枚〉になるようにします。
(4人プレイの場合の、競技フェーズの最初のラウンドの最初の手番の開始時点の様子。手前が親。)
そののち、親から時計回りの順に手番を行います。
手番プレイヤーは、自身の手札を1枚手元に公開し、場札を1枚選んで獲得します。
前者を【使用札】、後者を【獲得札】と呼びます。
獲得札は、使用札の上に少しだけ重ねて手元に置きます。 手札にはまだ加えません。
手札が1枚しかない場合、使用札の選択肢はありません。 ルール上、そのような場合でも、獲得札の選択肢はあります。
全員が手番を行ったら、親の交代判定を行います。
まず、各プレイヤーは使用札と獲得札の序列の差を確認します。
- 条件カードが〈Close〉の面なら、その差が〈最も小さい〉プレイヤーが親になります
- 条件カードが〈Far〉の面なら、その差が〈最も大きい〉プレイヤーが親になります
条件が同じプレイヤーが複数いた場合、そのうち〈最も下流の〉プレイヤーが親になります。
親の交代判定を行ったら、獲得札を手札に加えます。
そののち、使用札を場に移動し、次のラウンドの場札とします。
このさい、新しい親が、条件カードの表裏を反転させます。
プレイヤー人数にかかわらず、競技フェーズは〈8回目〉のラウンドで終わります。 すなわち、手番が手札8枚、山札なしの状態で始まるラウンドが、競技フェーズ最後のラウンドとなります。
なお、競技フェーズの終了時には、プレイヤーの人数に等しい枚数の場札が残されます。
→ 「集計フェーズ」の章へ進んでください。
《2人用》準備フェーズ
基本的な流れは、《3/4人用》の競技フェーズと同じです。
適当な方法で、親と子(親ではないほう)に分かれます。
- 姉妹カードを〈10枚〉ずつ配って山札とします
- 場札の初期枚数〈4枚〉でゲームを始めます(以降もラウンド開始時の場札4枚でゲームが進みます)
《2人用》競技フェーズ
基本的な流れは、《3/4人用》の準備フェーズと同じです。
2人で遊ぶ時も、競技フェーズは8ラウンドで構成されますが、前半ラウンド〈4ラウンド〉、後半ラウンド〈4ラウンド〉に分かれます。
前半ラウンド
競技フェーズは前半ラウンドから始まります。 前半ラウンドでは、後半ラウンドで使う手札を集めていきます。
- ラウンドの開始時には、山札から〈2枚〉引いて手札に加えます
- 最初のラウンドだけ、子は〈3枚〉引いて手札とします
- 2回目のラウンド開始時に手札〈3枚〉を持っていたプレイヤーは、山札から〈1枚〉だけ引き、両方のプレイヤーの手札が〈4枚〉になるようにします
(2人プレイの場合の競技フェーズの最初のラウンドの最初の手番の開始時点の様子。手前が親。)
- ラウンドでは、〈親→子→親→子〉の順に〈2回〉ずつ、合計〈4回〉の手番を行います
- 手番で手札を公開し、場札を獲得したら、それらをペアにします
- 結果、ラウンド終了時には、両方のプレイヤーの手元にペアが2つずつできます
- 全てのペア中で、序列の差が最大・最小となるものを持つプレイヤーが親になります
- 親になるのが、差が最大のペアを持つプレイヤーか、最小のペアを持つプレイヤーかは、3/4人プレイ同様、条件カードによって決まります
- 序列の差が最大・最小のペアを両方のプレイヤーが持つ場合、その次に差が大きい・小さいペアを持つプレイヤーが親になります
- それも両方のプレイヤーが持っていた場合、子が親になります
前半ラウンドの各ラウンドは、(各時点の)親から見て、ラウンドの最初の手番の開始時点で、 「手札2枚/山札8枚」→「手札4枚/山札6枚」→「手札6枚/山札4枚」→「手札8枚/山札2枚」 となっています。
後半ラウンド
山札がなくなったら、そのラウンドからは後半ラウンドとなります。 後半ラウンドでは、得点計算に使う札を確定していきます。
基本的な流れは前半ラウンドと同じですが、以下の点が異なります。
- 山札がないため、ラウンド開始時の手札追加はありません
- 獲得した札は、手札に加えず手元の手前に表向きで並べて置きます
- こうして手元の手前に並べられた札を【家札】と呼びます
- 一度家札になった札は、集計フェーズまで使用しません
- つまり、ラウンドごとに手札は2枚ずつ減っていき、家札は2枚ずつ増えていくことになります
後半ラウンドは、手札〈4枚〉で始まるラウンドが最終ラウンドとなります。
後半ラウンドの各ラウンドは、ラウンドの最初の手番の開始時点で 「手札10枚/家札0枚」→「手札8枚/家札2枚」→「手札6枚/家札4枚」→「手札4枚/家札6枚」 となっています。
(2人プレイの場合の競技フェーズの最後のラウンドの終了時点の様子。こののち各々の手元に出ている獲得札を家札に加え、使用札を場札にする。)
「手札4枚/家札6枚」のラウンドが終わると、手札〈2枚〉、場札〈4枚〉、家札〈8枚〉が残った状態になります。
これが、後半ラウンドの終了時の状態です。
後半ラウンドが終了したら、競技フェーズが終わり、集計フェーズに進みます。
集計フェーズ
集計フェーズでは、まずは手札を公開します。
《3/4人用》の場合、ここで公開した8枚の札が【家札】となります。
(4人プレイの場合の集計フェーズの様子。)
《2人用》の場合、公開した手札は【番人札】とします。 場札と番人札と家札は、それぞれ置き場を分けて区別します。
(2人プレイの場合の集計フェーズの様子。)
そののち、「家札の得点」を算出し、それが終わったら、「場札の得点」を算出します。 これらの得点の合計が、各プレイヤーの最終得点となります。
家札の得点計算
家札の得点は、得点早見表の表面(白い鋲が打たれた面)に書かれた6つの得点カテゴリについて順番に、家札における「満足度の生産量」、「満足度の収穫者数」を調べて「満足度」を算出し、それに「カテゴリの得点倍率」を掛けることで算出します。
食物愛者
最初に「食物愛者」のカテゴリの得点を算出します。
得点の計算に先立ち、このカテゴリの満足度を算出するため、家札の中で以下を調べます。
- 満足度の生産量:要素FOODの個数
- 満足度の収穫者数:要素FOODを持つ札の枚数
このカテゴリの満足度を、以下の式で算出します。
満足度の生産量 × (満足度の収穫者数-1) … (式1)
続いて、このカテゴリの得点を、以下の式で算出します。
満足度 × カテゴリの得点倍率
食物愛者のカテゴリの得点倍率は〈1倍〉です。
上図を家札の例とします。この中に、FOODの要素は(30, 22, 28, 36に含まれる)6個あります。 また、FOODの要素を持つ札は(先述の)4枚あります。 6 × (4-1) × 1 から、このカテゴリの得点は18点となります。
植物愛者・動物愛者
続いて、「植物愛者」、「動物愛者」のカテゴリの得点を算出します。 これらの得点計算の流れは、「食物愛者」と同じです。
まずは要素PLANT、要素ANIMALのそれぞれについて、式1を使って、食物愛者のカテゴリと同様に満足度を算出します。
続いて、各カテゴリの得点倍率を満足度に掛け、得点を算出します。
植物愛者のカテゴリの得点倍率は〈2倍〉、動物愛者のカテゴリの得点倍率は〈4倍〉です。
今回の例では、PLANTの要素は(27, 30, 36に含まれる)6個あります。 また、PLANTの要素を持つ札は(先述の)3枚あります。 6 × (3-1) × 2 から、このカテゴリの得点は24点となります。
一方、ANIMALの要素は1個で、この要素を持つ札は1枚だけです。 1 × (1-1) × 4 から、このカテゴリの得点は0点となります。
複情念戦士
続いて、「複情念戦士」のカテゴリの得点を算出します。
得点の計算に先立ち、このカテゴリの満足度を算出するため、家札の中で以下を調べます。
- 満足度の生産量:要素を2種類持つ札の枚数
- 満足度の収穫者数:要素を2種類持ち、なおかつ尖端要素を持つ札の枚数
このカテゴリの満足度を、以下の式で算出します。
(満足度の生産量-1) × 満足度の収穫者数 … (式2)
続いて、このカテゴリの得点倍率を満足度に掛け、得点を算出します。
複情念戦士のカテゴリの得点倍率は〈2倍〉です。
満足度の算出の際、以下の点に気をつけてください。
- 2種類の要素が、ともに丸形要素であるような札も、生産量にカウントされます
- ただし、そうした札は、収穫者数にはカウントされません
今回の例では、要素を2種類持つ札は(22, 28, 36の)3枚あります。 (30のカードは、要素を3種類持つため、ここではカウントに含めません) また、その中で尖端要素を持つ札は(22, 28の)2枚あります。 (3-1) × 2 × 2 から、このカテゴリの得点は8点となります。
単情念戦士
続いて、「単情念戦士」のカテゴリについて、複情念戦士と同様に満足度を算出し、それをもとに得点を算出します。
このカテゴリにおける満足度は、以下から算出します。
- 満足度の生産量:1種類の要素のみを持つ札の枚数
- 満足度の収穫者数:尖端要素のみを持つ札の枚数
満足度の算出には、式2を使います。
続いて、このカテゴリの得点倍率を満足度に掛け、得点を算出します。
単情念戦士のカテゴリの得点倍率は〈5倍〉です。
満足度の算出の際、以下の点に気をつけてください。
- 単一の要素のみを重複して持つような札の枚数も、生産量にカウントされます
今回の例では、要素を1種類だけ持つ札は(27, 11, 19, 31の)4枚あります。 また、その中で尖端要素を持つ札は(11の)1枚だけです。 (4-1) × 1 × 5 から、このカテゴリの得点は15点となります。
蒐集家
最後に、「蒐集家」のカテゴリについて、同様に満足度を算出し、それをもとに得点を算出します。
得点の計算に先立ち、このカテゴリの満足度を算出するため、家札の中で以下を調べます。
- 満足度の生産量:要素の種類の分量
- 満足度の収穫者数:冠頭要素のみを持つ札の枚数
満足度の算出には、式2を使います。
続いて、このカテゴリの得点倍率を満足度に掛け、得点を算出します。
蒐集家のカテゴリの得点倍率は〈4倍〉です。
今回の例では、家札の中に含まれる要素は(FOOD, PLANT, ANIMAL, POLE, SWORD, PAGE, KINGの)7種類です。 また、冠頭要素のみを持つ札は(19, 31の)2枚あります。 (7-1) × 2 × 4 から、このカテゴリの得点は48点となります。
ここまでで、家札の得点の計算が終わりました。
この例の場合、家札の得点は 18+24+0+8+15+48=113 点となります。
場札の得点計算
場札の得点とは、より正確には、場札から見た家札の評価をもとにした得点のことで、これはいわばボーナス点です。
場札の得点は、得点早見表の裏面(黒い鋲が打たれた面)に書かれた6つの得点カテゴリについて順番に、家札の得点計算と同じ流れで算出します。
ただし、以下の点が異なります。
- 《3/4人用》満足度の収穫者数は、場札だけで算出します
- 《2人用》満足度の収穫者数は、場札と自分の番人札だけで算出します
満足度の算出に使う式は、全てのカテゴリで
満足度の生産量 × 満足度の収穫者数
となります(式1、式2の「-1」の部分を、すべて無視します)
場札は満足度の収穫者数にのみカウントされ、生産量にはカウントされない点に注意してください。
場札は、すべてのプレイヤーが得点計算に使います。 しかし、その得点は、必ずしもプレイヤーごとに同じになるとは限りません。
《2人用》番人札は、「持ち主だけが得点計算に使う場札」として扱います。
上図を、(4人プレイにおける)場札の例とします。 場札の中にFOODの要素を持つ札があるため、食物愛者のカテゴリで追加の得点が発生します。 先ほどの家札を持つ場合、家札内にFOODの要素が5個あり、場札の収穫者数が3であるため、 6 × 3 × 1 から、このカテゴリで18点を得ます。 場札の要素数(5つ)は得点計算に使われないこと、収穫者数から-1を行わないことに注意してください。
同様に、植物愛者のカテゴリでも追加の得点が発生します。 先ほどの家札を持つ場合、家札内にPLANTの要素が6個あり、場札の収穫者数が1であるため、 6 × 1 × 2 から、このカテゴリで12点を得ます。
この場札の場合、先ほどの家札を持つプレイヤーも、動物愛者のカテゴリについて得点を得られます。 家札内にANIMALの要素が1個あり、場札の収穫者数が1であるため、 1 × 1 × 4 から、このカテゴリで4点を得ます。
最後に、場に尖端要素1つのみを持つ札があるため、単情念戦士のカテゴリの得点が発生します。 先ほどの家札を持つ場合、家札内に1種類の要素を持つ札が4枚あり、場札の収穫者数が1であるため、 4 × 1 × 5 から、このカテゴリで20点を得ます。
複情念戦士、蒐集家のカテゴリについては、場札に収穫者がいないため、追加の得点は発生しません。 結果として、場札から 18+12+4+20=54 点の追加点を得ることとなります。
家札の得点と場札の得点の合計が、各プレイヤーの最終得点となります。
今回の例の場合、最終得点は 113+54=167 点となります。
ここまで終わったら、ゲームが終わります。
最終得点が最も大きいプレイヤーが勝者となります。
要素の統計情報
- 要素FOODを持つ札は〈18枚〉あり、要素FOODは全体に〈38個〉あります
- 要素PLANTを持つ札は〈12枚〉あり、要素PLANTは全体に〈17個〉あります
- 要素ANIMALを持つ札は〈7枚〉あり、要素ANIMALは全体に〈8個〉あります
- 尖頭要素とそれ以外の要素を持つ札は〈8枚〉あり、要素を2種類持つ札は〈16枚〉あります
- 尖頭要素のみを持つ札は〈4枚〉あり、要素を1種類だけ持つ札は〈19枚〉あります
- 要素は全部で〈12種類〉あり、冠頭要素(のみ)を持つ札は〈5枚〉あります
クレジット
空理計画 2022 はくし Twitter@kuuriplan
createblankdevelop@gmail.com
テストプレイ協力: 和泉葛城, いもぎん, aki
初出: ゲームマーケット2022春
マニュアルバージョン: r2022041700
作品サポート・導入の例などはこちら: https://kuuri.net/game/sisters/
親ページ: 遊星姉妹