つきのうてな マニュアル Tsuki no Utena Manual
スペック
緒言
夜、月の見下ろす、この世ならざる庭園で
あなたたちは華を守る番人となり、行者たちの力を借りて、
輝きを雲から摘み取り、華に与えてやります
全ての華が輝きで満たされたとき、
この庭は世界をあまねく照らす源となるでしょう
◆ゲームの概略
このゲーム「つきのうてな」では、行者カード2枚をペアにして、そこに書かれたアイコンで示された、法具や流派を共鳴させます。その響きは雲ボードへ届き、そこに埋め込まれた光明マーカーを呼び寄せます。
あなたは他のプレイヤーと行者カードを交換することで、共鳴するアイコンの種類を変えながら、互いに光明マーカーを得て、それを華ボードに蓄えることができます。ただし、誰かと誰かのカードの交換を強要することや、カードを一方的に奪ったり、与えたりすることで、庭園の調和を乱すことは許されません。
また、共通の場に欲カードが現れたら、華ボードから雲ボードへ、光明マーカーを戻さなければいけません。これは完全に自動的な現象であり、しっかり注意を払っていないと、あなたたちの計画を、ときに大きく狂わせてしまうでしょう。
全員の受け持つ華ボードを光明マーカーで埋めたとき、この庭園は月光に満たされ、現世(欲界)と月(法界)とをつなぐ架け橋となるでしょう。
◆内容物
行者カード: 21枚
欲カード: 13枚
雲ボード: 1枚
華ボード: 4枚
中央マスと外周マスが書かれています。
外周マスが8マスの面と、6マスの面があります。
光明マーカー: 32枚
◆ 行者カード、欲カードには、いくつかのアイコンが書かれており、ゲーム中はその部分だけを参照します。また、特に(同じ種別の)2枚のカードの間で、どのアイコンが一致するかが重要になります。配分の工夫により、どのような組み合わせでも、必ず1種類だけアイコンが一致します。
1. ゲームの準備
以下の手順に従って準備します。
①行者カードをすべて裏向きにして混ぜ、全員に4枚ずつ配り、手札とします。
手札は、持ち主だけが内容を確認できます。
②行者カードを全員に裏向きのまま1枚ずつ配り、伏札とします。
伏札は、持ち主も内容を確認できません。
行者カードは、
余ります。(箱に戻します)
③場、プレイヤーの場の空間を確保します。
④全員に華ボードを配ります。
使います。
⑤欲カードをすべて裏向きにして混ぜ、全員の手の届くところに置き、欲カードの山札とします。(以後、単に山札とも呼びます。)
⑥欲カードの山札の近くに雲ボードを置き、ボード上のすべてのマス(計13マス)に光明マーカーを2個ずつ積んで置きます。
残りのマーカー6個は、華ボードに置きます。
ここで、親を決めます。
一番最近月を見た人が、最初の親になります。
それで決められなければ、適当な方法で決めます。
⑦華ボードの外周マスに、残った6個の光明マーカーを置きます。(外周マスのどこから埋めても、ゲーム上は同じ意味です)
光明マーカーは、人数に関わらず全て使われ、余りません。
以上で、準備完了です。
2. ゲームの流れ
ゲームは最大7回のラウンドからなります。
勝利条件を満たすか、敗北条件を満たしたときに、ゲームは終わります。
3. ラウンド
各ラウンドは、1回の輝きの喪失処理と、それに続く人数分の手番からなります。
ラウンドが始まったら、親が輝きの喪失処理(詳細は後述)を行います。
そののち、親から時計回りの順に全員が手番(詳細は後述)を行います。
全員が手番を行ったら、ラウンドは終わります。
最後に手番を行ったプレイヤーが親になって、次のラウンドに進みます。(これは、今回の親の右隣のプレイヤーです。)
ラウンド終了時に山札が尽きていたら、全員の敗北でゲームは終わります。
4. 輝きの喪失処理
この処理では、プレイヤーの持つ光明マーカーが欲カードによって奪われ、
雲ボードに移されます。
この処理ですることは、2回山札を引いて、欲カードを場に重なるように出すことです。ただし7ラウンド目は、山札は1回だけ引きます。(7ラウンド目は、山札が1枚しかないためです。)
引いたカードを場に出すときは、直前に出たカードと天地(目の向き)を逆向きにして、互いに共通するアイコン同士が重なるようにして積み重ねます。ただし、ゲームの最初の1枚は、ただ場に出すだけです。
カードが重なると、それまで見えていたアイコンが1個~4個隠れます。
2枚目に引いた欲カードを、1枚目に重ねて置きます。
目の向きは、カードの天地を表します。
この例の場合、図の2つのアイコンが隠れます。
各アイコンに対応するマスにマーカーが置かれたら終わりです。
隠れたアイコンと対応する雲ボードのマスに、マーカーを1個置かなければいけません。(▶「アイコンとマスの対応」の章の図の上段を参照)なお、見えていたアイコンが隠れたかどうかは、これまでに出たすべてのカードについて調べます。同じアイコンが複数隠れた場合、隠れた個数分のマーカーをそのアイコンのマスに置きます。この場合に限り、一つのマスに2個以上のマーカーが置かれます。
雲ボードに置くためのマーカーは、親から時計回りの順に、プレイヤーの華ボードから取っていきます。結果的に、置くべきマスの全てに、置くべき数(通常1個)のマーカーが置かれるなら、誰がどのマスにマーカーを置くかは重要ではありません。
2ラウンド目以降は、カードは2枚出て2回重なり、マーカーの移動も2回行われます。2回目では、1回目の最後にマーカーを取られたプレイヤーの左隣のプレイヤーからマーカーが取られていきます。
もし誰かの華ボードにマーカーが置かれておらず、雲ボードにマーカーを置くことができなかった場合、全員の敗北でゲームは終わります。なお、華ボードからマーカーがなくなってしまった時点では敗北とはなりません。そこからさらにマーカーを取ろうとしたときに敗北となります。
5. 手番
手番では、自分の場の行者カードを手札やほかプレイヤーの場と入れ替えた後、雲ボードからマーカーを獲得し、華ボードに置きます。また、手番のはじまる直前に増援を宣言することで、2回連続で手番を行うことができます。
手番では、まず以下のいずれかを行います。
交換には自分の場のカードが含まれなければいけない点に注意して下さい。自分の手札と他のプレイヤーの場のカードとで交換を行うことはできず、他のプレイヤーの場のカードどうしを交換することもできません。
1ラウンド目ではカードの交換を行う事ができないため、かわりに、手札から行者カードを2枚出します。以降、プレイヤーの場には行者カードが常に2枚存在します。これを行者のペアと呼びます。
手番の最後に、輝きの獲得処理(詳細は後述)を行います。
【特別なアクション: 増援】
2ラウンド目以降では、伏札を持っていたら、手番の直前に、増援を行うことを宣言できます。
宣言を行ったら、自分の伏札を手札に加え、2回連続で手番を行い、次のプレイヤーに手番を移します。伏札は補充されないので、1人のプレイヤーが増援を使えるのは、ゲーム中一度だけです。
ラウンドが終わると、伏札を持つ全員が、増援を行うことができる状態に戻ります。
6. 輝きの獲得処理
この処理では、雲ボードに捕らえられた光明マーカーを獲得し、プレイヤーの持つ華ボードに置くことができます。
この処理を行います。
この処理を行うプレイヤーは、自分が持つ行者カードのペアの間で、構成要素が完全一致するアイコンを調べます。(▶「アイコンの一致のしかたの詳細」の章を参照)
完全一致するアイコンの構成要素のすべてに対応する雲ボードのマスから、マーカーを1個ずつ獲得し、自分の華ボードの外周マスに置きます。(▶「アイコンとマスの対応」の章の図の下段から上段を参照)このとき、マーカーがないマスからは、マーカーを獲得できません。
ペアの間で完全一致するアイコンが上の法具アイコンであれば……
上に示した2つのマスからマーカーを獲得します。
一方、すでに自分の華ボードの外周マスがすべて埋まっていたら、取ったマーカーは華ボードの中央マスに置きます。(もしすでに中央マスにマーカーが置かれていたら、その上に重ねて置きます。)
手番開始時に華ボードの中央マスにマーカーが乗っていたら、全員の敗北でゲームは終わります。(増援による追加手番の開始時も含みます。)
なお、中央マスにマーカーが乗った時点では敗北とはなりません。また、親の華ボードの中央マスにマーカーが乗った状態でラウンドが始まった場合も、その時点では敗北とはなりません。この場合、輝きの喪失処理で、中央マスからマーカーを取りましょう。そのあとで、まだ中央マスにマーカーが残っていたら敗北となります。
7. 終了条件
◆アイコンの一致のしかたの詳細
アイコンには、法具アイコンと組アイコンがあります。
◆ 法具アイコンは、行者の持つ法具を表し、色と形の2つの要素の組み合わせで構成されます。法具アイコンの色要素は、青、紺、白、赤の4種類、形要素は、交差、蛇、五目、角の4種類です。太陽のような形のアイコンは、同じ色で4種の形の宝具アイコンが書かれているとみなします。(いわゆる「ワイルド」です。)法具アイコンどうしは、色も形も一致する場合に完全一致します。色のみ、形のみが一致する場合は、ゲーム上意味を持ちません。
◆ 組アイコンは、行者の流派を表し、色要素のみで構成されます。組アイコンの色要素は、黄、青、紺、白、赤の5種類です。組アイコンどうしは、色が一致すれば完全一致します。
法具が完全一致
この2つのアイコンに対応するマスからマーカーを獲得します。
組が完全一致
このアイコンに対応するマスだけからマーカーを獲得します。
ワイルドの形要素は、隣のカードが持つ同色の法具の形要素によって実際の種類が決まります。
◆アイコンとマスの対応
輝きの喪失処理
雲ボードと欲カードのアイコン8+5 = 13種
行者カードのアイコン16+5 = 21種
輝きの獲得処理
◆ 図中に引かれた線は、行者カードの法具アイコン(下段の16種)と欲カードのアイコン(上段の8種)の対応を示します。これらのアイコンは、後者が前者の構成要素であるという関係にあります。一方、中央の5種の組アイコンは、両方の種別のカードでそのままの形で使われています。図では、すべてのアイコンと雲ボード上のマスとの対応も示されています。
◆2人用ルール
3、4人用ルールを基本ルールとし、それと異なる点に絞って説明します。
3番の壇→4番の壇→1番の壇→2番の壇→
後手
先手
【ゲームの準備】1人2枚ずつ華ボードを持ちます。華ボードは6マスの面を表にし、各自の手元の左右に置きます。手札は1人6枚ずつ配り、伏札を各華ボードに対して1枚ずつ配ります。(余った5枚の行者カードは、使わないので箱に戻します。)先手と後手を決めます。華ボードに置く光明マーカーの個数は、先手プレイヤーの華ボードは1個ずつ、後手プレイヤーの華ボードは2個ずつです。欲カードの山札の上から1枚を公開した状態で、ゲームを始めます。(準備後の欲カードの山札は12枚です。)
【「壇」について】華ボード1枚と伏札1枚、そして行者カード2枚のセットを、壇と呼びます。先手の右手→左手→後手の右手→左手の壇をそれぞれ、1番の壇→2番の壇→3番の壇→4番の壇と呼びます。(壇は、1番→2番→3番→4番→1番→…の順に繋がっています。)
【ゲームの流れ】ゲームは最長6ラウンドです。
【ラウンド】ラウンドは1番の壇→2番の壇→3番の壇→4番の壇の順に、各々の壇の持ち主が手番処理を行うことで進行します。(通常ルールと異なり、毎ラウンド手番の回り方は同じです。)1番と3番の(つまり、各自の右手の)壇の手番処理の直前に、欲カードを山札から1枚だけ引いて、輝きの喪失処理を行います。(通常ルールと異なり、ラウンド開始時に欲カード2枚で行う輝きの喪失処理はありません。)最初にマーカーを取られるのは、これから手番処理を行おうとしている壇です。
【手番】場のカード同士の交換は、手番処理を行っている壇とそれ以外の壇との間で行います。(自分の持つ壇同士での交換も可能であるという意味です。)増援を行うと、そのラウンド中、他の壇では増援を行うことができなくなります。ラウンドが終わると、伏札のある全ての壇が、増援を行える状態に戻ります。
◆1人用ルール
3、4人用ルールを基本ルールとし、それと異なる点に絞って説明します。
欲カードの山札
行者カードの山札
計画カード
行者欲 欲
左の壇→中央の壇→右の壇→
【ゲームの準備】プレイヤーは3つの華ボードを持ち、3人で遊ぶときと同じように準備します。ただし、ゲームは手札7枚を持って始め、伏札は配りません。また、残った行者カードのうち6枚を裏向きにして混ぜ、行者カードの山札とします。(余った8枚の行者カードは、使わないので箱に戻します。)欲カード全てを裏向きにして混ぜ、欲カードの山札とします。欲カードの山札の上から1枚を公開した状態で、ゲームを始めます。(準備後の欲カードの山札は12枚です。)
【「壇」について】華ボード1枚と行者カード2枚、そしてカードを1枚置ける計画カード置き場のセットを、壇と呼びます。壇は3つ横一列に並び、それぞれ左の壇→中央の壇→右の壇と呼びます。(壇は、左→中央→右→左→…の順に繋がっています。)
【ゲームの流れ】ゲームは最長6ラウンドです。
【ラウンド】ラウンドの開始時に、欲カードの山札から2枚、行者カードの山札から1枚を引き、それらを裏向きのまま、「計画カード」として、各壇の計画カード置き場に1枚ずつ置きます。どの壇にどのカードを置くかは、(裏向きのまま)任意に決められます。(この時点ではカードを伏せておくだけです。通常ルールと異なり、ラウンド開始時に欲カード2枚で行う輝きの喪失処理はありません。)そののち、左→中央→右の順に、各壇について手番処理を行います。(通常ルールと異なり、毎ラウンド手番の回り方は同じです。)
処理を行う壇の計画カードが欲カードなら、ここでそのカードを使って輝きの喪失処理を行います。最初にマーカーを取られるのは、これから手番処理を行おうとしている壇です。(輝きの喪失処理は、手番外の処理として扱います。つまり、この処理の時点で中央マスにマーカーが置かれていても、敗北とはなりません。)
処理を行う壇の計画カードが行者カードなら、宣言なしに増援が発生し、そのカードを手札に加え、その壇で2回連続で手番を行います。(通常ルールと異なり、毎ラウンド必ず1回増援が行われます。)
◆補足情報
クレジット